専用メガネなしで“飛び出す写真”を撮影できる「FinePix REAL 3D W1」

real3dw1001.jpg 昨年9月にドイツ・ケルンで開催された「フォトキナ2008」に試作機が出展され、話題を呼んだ富士フイルムの3Dデジタルカメラ「FinePix REAL 3D」が、「FinePix REAL 3D W1」として正式発表された。同機は専用メガネを使用せず、裸眼の状態で“飛び出す写真”(立体写真)が簡単に撮影できるのが特徴。高画質で自然な3D映像(静止画・動画)を撮影・再生できる世界初のコンパクトデジカメだ。8月8日に発売で、価格は6万円前後の見込み。

 「FinePix REAL 3D W1」は、やや横長の本体に2つのレンズを搭載。ユーザーは被写体にカメラを向け、シャッターボタンを押すという通常のデジカメと同様の手順だけで、簡単に3D映像を撮影することができる。また、これまで技術的に難しいとされてきた光学3倍ズーム時の3D撮影も実現した。

 どんな人でも3D撮影を幅広いシーンで楽しめるように、「FinePix REAL 3D W1」には高度な3D撮影ができる「アドバンスト3Dモード」が2つ用意されている。まず、「3D 2回撮り」は異なる角度からの2D撮影を2回行い、1枚の3D画像に合成することで、より自然な3D画像を作成する機能。花や小物などのマクロ撮影ではより自然な立体感で、遠くの山や高層ビルなど立体感が出にくい遠景撮影では立体感をより強調して撮影できるモードだ。

 もう一つは 「3D時間差撮り」。電車や飛行機など、撮影者が移動しながら視点の異なる2枚を連写することで、超遠景を立体的に写し出すことができる機能で、特に飛行機から見た雄大な雲海や山岳の風景などに適しているという。

 また、「FinePix REAL 3D W1」は2D撮影についてもこれまでのデジカメにはなかった便利な機能を実現している。それは1回シャッターボタンを押すだけで、「望遠/広角」「2カラー同時(カラーとモノクロなど)」「高感度/低感度」といった2パターンの写真を同時に撮影するという、2つのレンズ・CCDを活かした機能だ。

 スペックは背面液晶が23万ドットの2.8型液晶(3D/2D切り替え可能)、1,000万画素1/2.3型CCD×2、光学3倍ズーム×2、外部メモリは xD-ピクチャーカード/SDHCメモリーカード/SDメモリーカード、顔検出機能(2D撮影時)など。本体に合わせ、専用メガネ不要で鑑賞できる3D ビューワー「FinePix REAL 3D V1」、3D画像を写真プリントにする「3Dプリント」サービスも同時に発売およびサービス開始する予定だ。