「タヒる」「指恋」を超えるか、「辞書に載せたい言葉」の募集スタート
「明鏡国語辞典」を発行する大修館書店が、中高生が国語辞典に載せたい言葉や意味、例文を募集するキャンペーン「『もっと明鏡』大賞みんなで作ろう国語辞典!」。「国語辞典に載っていない言葉、載せたい言葉」と、その言葉に対するオリジナルの解説を全国の中高生から募る企画だが、第4回となる今年も作品の受付が始まった。募集期間は9月末日まで。結果の発表は12月上旬を予定している。
このキャンペーン、昨年の第3回には6万3,000近い作品が寄せられた。大修館書店はキャンペーンの目的を「次々と誕生する若者言葉やネット語、専門用語、さらにはその地域ならではの言葉について深く考えてもらうこと、国語辞典に対する関心を高めること」「日常で使い慣れた言葉の意味や使い方を自分なりに明確にすることで、言葉に対する感覚を養う」と定義。毎年、多彩かつ独創的な作品が多数寄せられていることからも、その目的は十分に達成されていると言えそうだ。
全応募作品の中から選ばれる「もっと明鏡」大賞(最優秀作品賞=10人)をはじめ、各賞には賞状と、副賞としてニンテンドーDSiなどの賞品が用意されている。中高生の人は、応募してみてはいかが?
なお、昨年の最優秀作品賞に選ばれた10作品は次のとおり。
◇おとメン【乙男】
乙女心をもっている男のこと。かわいい物や料理、裁縫などが好きな男のこと。メイクの得意な「化粧師系オトメン」、お花の手入れが得意な「お花好きオトメン」などがある。《注》男らしさも兼ね備えていなくてはならない。
◇がち【ガチ】
(1)「真剣に」や「本当に」など、特定の物事の本気具合、または熱さ(熱心さ)具合を表す。「昨日はガチで怒られた(=昨日は真剣に怒られた)」
(2)名詞の前につけて「真性の~」を表す。「ガチオタ(=真性のオタク)」《由来》「ガチンコ」(=真剣勝負)に由来すると思われる。
◇しゃかお【シャカ男】
電車内でイヤフォンから音漏れしている男の人。近年増加傾向にある。「今朝中央線で、隣がシャカ男でさぁ…」
◇たひる【タヒる】
カタカナで「タヒ」と横書きしたら、漢字の「死」に似ていることから。主に若者がメールで使う。「死ぬ」までは強くなく、「もうだめ」など軽い言葉。「今日のテスト、タヒるよー(=今日のテスト死んだよー)」
◇チェンそー【チェンソー】
総理大臣がかわること。「CHANGE 総理」の略。「山田から田中にチェンソーした」「チェンソーしてほしい」
◇ひめ【姫】
(1)「ちょっと」や「少し」を今風にしたもの。「このビデオ、姫こわ~」「姫楽しい~」
(2)かわいいもの。「姫系ファッション」「姫電(かわいくデコレーションした電話)」《対義語》(1.に対して)鬼
◇モンペ
モンスターペアレンツの略。自分の子供のことを思うあまりに周りが見えなくなっている、異常なまでの親バカのこと。クレーマーになる場合が多い。「またモンペからクレームが来たよ…」《関連》【モンスターチルドレン】モンスターペアレンツによって作り出される子供のこと。モンペの子供版。
◇やする【ヤスる】
(1)ツメをヤスリでけずること。ツメを切るのとは少し違う。「お前ツメ割れてんじゃん!! ヤスれよー」
(2)遊ぶときなど人数が多すぎるとき数名をはずすこと。決してその子が嫌いなわけではない。「どーはー! 5人しか入れないー! 誰かヤスらなきゃー!」「あたしヤスられよーかー?」
◇ゆびこい【指恋】
好きな人と携帯でメールをすること。相手に自分の思いを伝えようとすること。《語源》親指で文字を打つことから。
◇ろうどう【老働】
定年を過ぎたおじいさんが年金だけでは生活をまかなえず、働くこと。
『もっと明鏡』大賞みんなで作ろう国語辞典!