「雪国まいたけ」から抽出した成分、抗がん剤副作用の軽減に効果

yukiguni_maitake001.jpg かつては“幻のきのこ”と呼ばれ、食卓にはなかなか上がる機会のなかったまいたけ。でも、25年前に株式会社雪国まいたけが大量人工栽培技術を確立させ、「雪国まいたけ」の販売を始めたことにより、今ではすっかりポピュラーなきのこへと変貌を遂げている。そんな「雪国まいたけ」から抽出した成分が、抗がん剤の副作用軽減に効果があることが分かった。

 この報告は3月27日に行われた日本薬学会第129年会で発表されたもの。現在、医療の現場で広く使われ、悪性腫瘍の治療において非常に有用とされている抗がん剤に「シスプラチン」と呼ばれる薬剤があるが、骨髄抑制や腎障害といった激しい副作用があることがひとつのネックとなっていた。

 ところが、「シスプラチン」を多く投与した副作用状態のマウスに「雪国まいたけ抽出物(MDフラクション)」8mg/kgを腹腔内に投与したところ、「シスプラチン」を単独で投与した状態と比較して、白血球増殖を促す血清中の因子濃度が5.2倍に上昇。さらに骨髄抑制の軽減が認められたという。

 また、腎障害においても「雪国まいたけ抽出物」を投与した場合に血中尿素窒素の値が減少。摘出した腎組織を病理組織試験した際にも尿細管障害度の減少が認められるなど、腎障害抑制効果があると考えられている。

 「雪国まいたけ抽出物」は株式会社雪国まいたけが日米で製法特許を取得。2004年には米国のがん専門病院スローンケタリング記念がんセンターが、抗がん剤抗生物質である「ドキソルビシン」の副作用軽減効果を発表したほか、昨年は第44回米国臨床腫瘍学会において、元乳がん患者に対する治験結果として免疫制御作用が報告されている。



雪国まいたけ