「最高のヒップホップ100曲」発表、ジェイ・Zとエミネムはトップ10圏外に
ヒップホップの誕生から約30年。他のジャンルに比べて決して深い歴史ではないが、これまでに数多くの名曲が生み出され、現在の米音楽シーンの主流となっている。そんなヒップホップの歴史の中で最高の100曲を集めた「100 Greatest Hip Hop Songs」を米音楽専門局VH1が発表した。1位となったパブリック・エナミーの「ファイト・ザ・パワー」をはじめ上位は1980~90年代初期の曲が占め、ジェイ・Zやエミネムらによる近年のヒット曲はトップ10入りしなかった。
1位の「ファイト・ザ・パワー」は89年の曲。ミクスチャーというジャンルの誕生に多大な影響を与えたパブリック・エナミーの中でも、特に人気の高いトラックだ。
2位はオールドスクールの草分けとなったシュガーヒル・ギャングの「ラッパーズ・ディライト」(79年)。3位はN.W.A.の元メンバーにしてヒップホップ界の巨人、ドクター・ドレーの「ナッシン・バット・ア・G・サング」(93年)で、N.W.A.も「ストレート・アウタ・コンプトン」(88年)が6位に入った。
そのドクター・ドレーと90年代に対立していたディディ(パフ・ダディ)は自身の曲こそトップ10入りしなかったものの、盟友ノートリアス・B.I.G.(ビギー)の「ジューシー」(94年)が7位にランクイン。一方で、ドクター・ドレーの盟友スヌープ・ドッグの「ジン・アンド・ジュース」(93年)も8位に入ったが、ビギーとともにこの抗争の中で凶弾に倒れたトゥーパックの楽曲はトップ10入りしなかった。
トップ10はこのほか、4位はRUN DMCとエアロスミスによる「お説教(Walk This Way)(86年)、5位はグランドマスター・フラッシュ&フューリアス5の「ザ・メッセージ」(82年)、9位はソルト・ン・ペパの「プッシュ・イット」(87年)、10位はカーティス・ブロウの「おしゃべりカーティス(The Breaks)」(80年)となっている。
現在のヒットメーカーであるジェイ・Zやエミネム、カニエ・ウェスト、50セントなどがトップ10に入っていないが、これは視聴者の年齢が比較的高いためだと思われる。
[最高のヒップホップ100曲 トップ10]
1位 パブリック・エナミー 「ファイト・ザ・パワー」
2位 シュガーヒル・ギャング 「ラッパーズ・ディライト」
3位 ドクター・ドレー 「ナッシン・バット・ア・G・サング」
4位 RUN DMC エアロスミス 「お説教」
5位 グランドマスター・フラッシュ&フューリアス5 「ザ・メッセージ」
6位 N.W.A. 「ストレート・アウタ・コンプトン」
7位 ノートリアス・B.I.G. 「ジューシー」
8位 スヌープ・ドッグ「ジン・アンド・ジュース」
9位 ソルト・ン・ペパ 「プッシュ・イット」
10位 カーティス・ブロウ 「おしゃべりカーティス」
100 Greatest Hip Hop Songs(VH1)