米誌が「過去25年間のカルト映画25選」発表、1位は「ショーシャンクの空に」
人々の心をとらえる名作映画はこれまでに数多く輩出されているが、中には公開から数十年を経ても熱狂的なファンに支持され続けている作品も存在する。こうしたカルト的人気を誇る映画について、過去25年の間に公開された作品を対象とした傑作ランキングを米誌エンターテイメント・ウィークリーが発表した。1位に選ばれたのはフランク・ダラボン監督の「ショーシャンクの空に」(1994年)で、日本からは唯一、大友克洋監督の「AKIRA」(88年)が10位にランクインしている。
この調査は、83年以降に公開された映画を対象に行われた。1位に選ばれた「ショーシャンクの空に」は興行成績こそ芳しくなかったが、完成度の高さがビデオ化後に口コミで広がっていった作品だ。映画データベースサイト「IMDb」のユーザー評価ランキングでは、長きにわたって1位に君臨している。フランク・ダラボン監督は、同作に続いて「グリーン・マイル」(99年)、「ミスト」(07年)とスティーブン・キングの小説を映画化した。
2位はブライアン・デ・パルマ監督&アル・パチーノ主演による「スカーフェイス」(83年)。この作品も公開当時はメディアから酷評を受け、興行成績が振るわなかった。アル・パチーノ作品では「ゴッドファーザー」シリーズの1作目がIMDbランキングで2位、2作目が4位と人気だが、同作も171位につけている。ちなみに、「スカーフェイス」コンビによる第2作「カリートの道」(93年)はランクインしなかった。
3位はアレックス・コックス監督の「レポマン」(84年)、4位はロブ・ライナー監督の「スパイナル・タップ」(84年)、5位はテリー・ギリアム監督の「未来世紀ブラジル」と同年代公開の作品が続き、「スクール・オブ・ロック」などで知られるリチャード・リンクレイター監督の「バッド・チューニング」(93年)、ジョン・ウー監督の「ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌」(92年)、サム・ライミ監督の「死霊のはらわたII」(87年)、ティム・バートン監督の「ピーウィーの大冒険」(85年)、ジム・ジャームッシュ監督の「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(84年)、ジョエル&イーサン・コーエン兄弟監督の「ビッグ・リボウスキ」など、現在第一線で活躍する名監督たちの作品もランクインした。
一方、邦画で唯一選ばれた「AKIRA」について同誌は、「『AKIRA』以前のアニメで、これほど刺激的な作品はなかった」と評している。
[過去25年間のカルト映画傑作25選]
1位 「ショーシャンクの空に」(94年、フランク・ダラボン監督)
2位 「スカーフェイス」(83年、ブライアン・デ・パルマ監督)
3位 「レポマン」(84年、アレックス・コックス監督)
4位 「スパイナル・タップ」(84年、ロブ・ライナー監督)
5位 「未来世紀ブラジル」(85年、テリー・ギリアム監督)
6位 「バッド・チューニング」(93年、リチャード・リンクレイター監督)
7位 「ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌」(92年、ジョン・ウー監督)
8位 「死霊のはらわたII」(87年、サム・ライミ監督)
9位 「ピーウィーの大冒険」(85年、ティム・バートン監督)
10位 「AKIRA」(88年、大友克洋監督)
11位 「悪魔の毒々モンスター」(84年、マイケル・ハーツ監督)
12位 「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(84年、ジム・ジャームッシュ監督)
13位 「クラークス」(94年、ケビン・スミス監督)
14位 「ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたり」(85年、スチュワート・ゴードン監督)
15位 「ビッグ・リボウスキ」(98年、ジョエル&イーサン・コーエン監督)
16位 「ウイズネイルと僕」(88年、ブルース・ロビンソン監督)
17位 「ショーガール」(95年、ポール・バーホーベン監督)
18位 「ゼイリブ」(88年、ジョン・カーペンター監督)
19位 「ヘザース/ベロニカの熱い日」(89年、マイケル・レーマン監督)
20位 「天才マックスの世界」(98年、ウェス・アンダーソン監督)
21位 「バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー」(84年、W・D・リクター監督)
22位 「ラヴ・ストリームス」(84年、ジョン・カサベテス監督・主演)
23位 「Superstar: The Karen Carpenter Story」(87年、トッド・ヘインズ監督)
24位 「Walking and Talking」(96年、ニコール・ホロフセナー監督)
25位 「ザ・メタルイヤーズ」(88年、ペネロープ・スフィリース監督)
The Cult 25: The Essential Left-Field Movie Hits Since '83-英文-