交通機関での不快な行為、「ヘッドフォンの音漏れ」と「ケータイの通話」が接戦
電車やバスなどの公共の交通機関では、同じ空間を気持ちよく共有するためにも、一人一人がマナーに心を配りたいもの。でも、鉄道会社やバス会社が盛んに「マナー向上」を訴えざるを得ないように、残念ながらマナー違反とも取れる行動・行為を目にする機会は多い。そうしたマナー違反、すなわち受け取り手からすれば「不快な行為」に関する調査をマクロミルが実施、結果を公表した。
今回の調査は、1都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)在住の15~59才の男女を対象に実施。まず、交通機関で他人の行為を不快に感じる頻度を聞いたところ、「毎日のように感じる」が16.3%、「週に2~3回くらい」が20.0%、「週に1回くらい」が22.0%となり、これらを合計した「週に1回以上、不快に感じる」人は全体の58%と、半数以上の人が何らかの不快な行為に遭遇していることが分かった。
次にどのような行為を不快に感じるかを聞いたところ、最多は22.5%が回答した「ヘッドフォンからの音漏れ」。以下、「携帯電話での通話」の22.2%、「降りる人や乗る人がいるのに、ドア付近から動かない」の19.4%、「大声で話している」の16.2%、「降りる人を優先しないで先に乗り込む」の16.0%、「他人の体臭」の14.1%、「泥酔して乗車してくる」の11.8%、「騒いでいる子供を注意しない」の11.6%、「化粧をする」の11.1%、「席を詰めない」の10.6%と続いている。
そして、不快に感じる行為に接した場合には、どのような行動を取るかを聞いたところ、最多は31.0%が回答した「表情や態度で不快感を表す」。以下、「別の席や車両に移動する」の18.5%、「にらんだり、舌打ちをする」の8.1%、「言いやすそうな人であれば注意をする」の3.5%、「どんな人であっても注意をする」の1.9%となった。
逆に、自分がしたことがある行為について聞いたところ、最多は67.1%の「携帯電話でメールやゲーム」。以下、「何かを食べたり飲んだりする」の30.7%、「駆け込み乗車をする」の28.5%、「携帯電話で通話」の22.2%、「寝てしまい隣に寄り掛かる」の17.9%と続いた。ただし、携帯電話のメールや、携帯ゲーム機に関しては、音を出さないという前提が守られていれば問題ないとする意見も多く、「マナー違反」を問う選択肢として適しているかどうかは、議論の余地を残すところだろう。
また、自由回答形式で「交通機関で不快に思ったエピソード」を挙げてもらったところ、「電車の中で高校生がカップラーメンを食べていて、車内に臭いがこもった」(19歳男性)、「携帯電話でも、やむを得ない小声での応対は好感すら覚えるが、はっきりと大声でしゃべっているのは極めて不快」(34歳男性)、「ビールを飲みながら電車に乗ってくる人がいるが、普通の電車の中でお酒を飲むのはやめてほしい」(28歳女性)などの声が出ている。
総合的なマナーに対する意見としては「もっと駅員が注意すべきだ。それも大事な駅員に仕事だと思う」(52歳男性)、「職員が見回りなどで注意してくれると有り難い」(41歳女性)、「同じ立場の客が注意するより、運転手などの立場の人が注意した方が効果がある」(27歳男性)と、鉄道やバスの職員に対する要望が多く見られた。
マクロミル