2015年の未来観調査、「そうなって欲しくない未来」トップは「ニートの増加」
2000年前後の日本と現在の日本が大きく異なるように、今から7~8年先の日本は、現在とはまた異なる姿をしているはず。そんな近い未来を世間はどのようなイメージで捉えているのかを博報堂生活総合研究所が調査している。2015年に実現しそうな54の項目を、関心度(非常に関心あり)・願望度(是非そうなって欲しい)・拒否度(そうなって欲しくない)の3つの指標で評価したものだ。
まず、関心度(非常に関心あり)の指標で1位になったのは「消費税率が17%になる」(62.9%)。次いで「日本の電気自動車が軽自動車なみの維持費を実現する」(58.5%)、「地球温暖化による海水面の上昇で、この年までに東京、大阪、神戸を含む世界の21 都市が危険におちいる」(57.3%)、「日本で75歳未満のがんによる死亡率が、2005年比で20%減少する」(51.4%)、「日本の自動車メーカーが、製造販売するクルマによる死亡事故、負傷事故の半減を実現する」(50.6%)と続く。上位5位だけでも経済、交通、環境、医療とさまざまな分野にわたり、「未来の関心事」は分散傾向にあることがわかる。
次に願望度(是非そうなって欲しい)の指標で1位になったのは「日本の電気自動車が軽自動車なみの維持費を実現する」(70.4%)。次いで「日本の自動車メーカーが、製造販売するクルマによる死亡事故、負傷事故の半減を実現する」(68.3%)、「ETCや走行支援システムの普及で高速道路での渋滞が7割解消する」(66.3%)、「日本で75歳未満のがんによる死亡率が、2005年比で20%減少する」(63.6%)、「有望な科学分野に集中投資する政府の計画により、アレルギー疾患が克服される」(62.3%)と続く。全体的には交通に関することへの願望が高く、それは現在の交通に不満が多いことの裏返しとも言えそうだ。また、現代医療の「壁」の突破を願う人が多いこともうかがえる。
さらに拒否度(そうなって欲しくない)の指標で1位になったのは「働かず職業訓練も受けないニート人口が全国で137 万人に達する」(86.6%)。次いで「認知症で介護や支援を必要とする高齢者の数が、全国で250万人に達する」(85.6%)、「消費税率が17%になる」(84.3%)、「日本の高齢化率が26.0%に達する」(83.7%)、「地球温暖化による海水面の上昇で、この年までに東京、大阪、神戸を含む世界の21都市が危険におちいる」(81.8%)と続く。全体的には労働力や少子高齢化に関わる問題に危機感を抱く人が多いようだ。
博報堂生活総合研究所「未来ランキング調査」結果発表