事故対応の消費者意識調査で松下電器が高評価、女性の視点が厳しい傾向に
近年はさまざまな企業や機関などの不祥事が相次ぎ、消費者の視線は厳しさを増している。こうした中で、日本ブランド戦略研究所が「企業・機関の事件・事故に対する消費者の意識調査」したところ、「事件・事故後の対応が評価できる企業や機関」として、FF式石油暖房機の一酸化炭素中毒事故を起こした松下電器の対応が高評価を受けていることが明らかになった。また、全体的に男性に比べて女性の視点が厳しいことが示されている。
調査は、全国21歳以上の男女を対象とし、2月29日~3月1日にネット上で「許せないと思う事件・事故」や「事件・事故後の対応が評価できる企業や機関」など5項目の質問を行ったもの。有効回答人数は200人(男女同数)だった。
まず、企業・機関の不祥事に関する「許せないと思う事件・事故」については、「製品の危険性を知りながら販売を継続し、犠牲者を出した」が86%でトップ。2位の「食品の安全性への配慮を怠り、食中毒を招いた」(82%)、3位の「建物の耐震性能を偽った」(80%)も8割を超えており、人体に影響するものに対する憤りが大きいようだ。また、男女別ではすべての項目で女性の回答率が上回っており、事件・事故に対して女性がよりシビアであることが示されている。
「事件・事故を起した企業の信頼回復にとって有効であると思う対応は?」という質問では、「情報を公開する」が93%でトップとなったほか、「その後の経緯を継続的に公表する」も80%で3位だったことから、情報の適切な開示を強く求めていることが分かる。こうした対応で評価できる企業として、松下電器が67%と多くの支持を得た一方、番組制作費の詐取などで批判されたNHKや“消えた年金”の社会保険庁はそれぞれ6%、3%と低い評価を受けた。
[事件・事故後の対応が評価できる企業や機関(日本ブランド戦略研究所調べ)]
1. 松下電器(FF式石油暖房機の一酸化炭素中毒事故) 67%
2. 不二家(消費期限切れの原材料を使用) 39%
3. 雪印乳業(食中毒事件) 35%
4. 日本製紙(古紙配合率偽装) 19%
5. 関西テレビ(あるある大事典問題) 11%
6. JAL(整備ミス) 10%
7. 三菱ふそうトラック・バス(リコール隠し) 9%
8. ニチアス(耐火材偽装) 8%
9. NHK(番組制作費の詐取) 6%
10. 社会保険庁(消えた年金) 3%
企業・機関の事件・事故に対する消費者の意識調査(1)
企業・機関の事件・事故に対する消費者の意識調査(2)