利用者の流れが変わる? 新宿駅を貫通する東西自由道路の整備開始へ
発行:2008年01月23日 22:56
日本最大の歓楽街である東京・新宿。駅周辺は商業施設が充実しているが、利用者にとって面倒なのが東西が鉄道で分断されていること。改札を通る以外、東口と西口の連絡は大ガードや甲州街道などを使ってかなり遠回りしなけらばならない。こうした不便を解決するため、東京都、新宿区、JR東日本、小田急電鉄の共同で新宿駅内地下に「東西自由道路」が作られることとなった。2008年度内に設計に入り、2016年度の完成を目指しているという。
新宿駅周辺の繁華街はそれぞれに発展しながら回遊性が低いことが問題になっており、東西の連絡通路の整備は長年の懸案だった。97年に東京都が策定した「副都心整備計画」で整備することが盛り込まれ、00年代に入ってからJR駅構内の既存通路を転用することが決定した。
その後は約2年にわたって通路の幅をめぐりJRと新宿区が対立していたが、JRの主張する40メートル幅員では完成までに時間がかかりすぎるために25メートル案で決着。08~09年度に設計を行い、10年度に着工することとなった。
東西自由道路は、現在JRの商業施設「ルミネエスト」地下1番街と小田急百貨店の階下をつなぐJRの「北通路(青梅通路)」(長さ100メートル)を利用。整備後は改札を移設するため、JR利用客以外でも通行できるようになる。西端はバスターミナルに連絡していることから、重い荷物を持ったバス利用者にとって移動の負担が軽減されるだろう。
今回の計画と同時に、ルミネエストと京王百貨店の建て替えが検討されている。また、伊勢丹も建て替えを構想しており、東西自由通路の整備によって利用者の流れや街並みが一変しそうだ。
新宿駅周辺地区の調査及び計画報告書※PDFファイル