「世界最安」の乗用車は28万円、インドのタタ自動車が超低価格車「ナノ」を発表
発行:2008年01月10日 23:42
インドの財閥「タタ・グループ」が所有している自動車メーカー、タタ自動車(タタモーターズ)をご存知だろうか。その製品が流通していない日本ではなじみ薄いメーカーだが、インドの自動車メーカー別シェアではスズキに次ぐ2位、国産のメーカーでは1位のシェアを誇る大企業だ。そんなタタ自動車が、「世界最安」と思われる超低価格車「ナノ」を発表。価格は10万ルピー、日本円でわずか28万円程度の価格破壊を実現している。
「ナノ」はタタ自動車が掲げる「ワンラックカープロジェクト」に従って開発が進められてきた戦略車。インドはまだあまり自動車が普及しておらず、特に低所得者層はオートバイを生活の「足」として利用している。このオートバイを自動車に置き換えようと、低所得者層でも手の届く価格帯(10万ルピー)で販売しようという計画が「ワンラックカープロジェクト」だ。
正式発表された「ナノ」は長さ3.1m×幅1.5m×高さ1.6m、4ドアタイプの4人乗りのコンパクトカー。排気量は623ccで、2気筒エンジンを搭載している。価格がかなり抑えられているため、装備品は極めて簡素なものだが、生活の「足」としては十分に活躍できるスペックは備えているという。販売されるのはカラフルなデラックスバージョンと、シンプルなスタンダードバージョンの2モデル。
ちなみに、日本国内で現在販売されている日本メーカーの「ナノ」と同じクラスの自動車で、最も安いのは三菱自動車の「ミニカ」(4人乗り、657cc)の58.3万円か、スバルの「プレオ」(4人乗り、658cc)の62.8万円(Yahoo!自動車より)あたり。「ナノ」はそれらの半額程度というわけだ。
「ナノ」公式ページ
タタ自動車