新潮社創立110周年記念、新しいタイプの辞典「新潮日本語漢字辞典」刊行

shinchonihongokanjijiten.jpg 日本を代表する出版社である新潮社。創立110周年を迎えた同社が11年の歳月をかけて編纂した新しいタイプの漢字辞典「新潮日本語漢字辞典」が、9月27日に刊行される。四書五経など漢籍からの用例を中心とするこれまでの漢和辞典と違い、漢籍にない熟語や外来語、熟字訓など日本の生活に密着した漢字を収録。日本で初めての「日本語としての漢字」を引くための辞典となっている。価格は9,975円(税込み)。

 漢字が中国から日本へ渡来して約1500年、その間に中国とは全く異なる独自の漢字文化が育っている。これまでの漢和辞典は漢文を読み書きするためのものとなっており、「木漏れ日(こもれび)」「浴衣(ゆかた)」「東風(こち)」などの熟字訓や、「秋桜(コスモス)」「硝子(ガラス)」などの外来語も掲載されていなかった。

 今回刊行される「新潮日本語漢字辞典」は、こうした漢和辞典に掲載されていない漢字を収録し、逆に漢籍に登場する熟語でも日本の日常生活に登場しないものは省いている。

 用例は、夏目漱石以降の近現代作家の作品から長めに引用。索引には漢和辞典の部首、音訓、総画に加え、総数約4万7,000の五十音順で引ける熟語索引もプラス。略字、異体字や、「いのち(生命)」「きらきら(煌々、燦々)」など大きな国語辞典にも載っていない熟字訓、擬態語も掲載している。

 見出し字総数1万5,375で、熟語数は約4万7,000、総ページ数3,072。常用漢字、人名漢字、JIS漢字など戦後の日本の漢字政策の変遷も収載しているので、日本がはぐくんだ漢字すべてを1冊で知ることができる。

新潮日本語漢字辞典
新潮社