市民の力で1億円を調達、栃木県宇都宮市の「宇都宮城」が140年ぶりに雄姿

utsunomiyajo001.jpg 「関東七名城」のひとつに数えられる栃木県宇都宮市の「宇都宮城」は、平安時代に築城された歴史ある城。でも、戊辰戦争の激戦(1868年)によって大半が焼失してしまい、かつての姿を現在は見ることができなかった。焼失から約140年。市民の「もう一度、雄姿を」の機運が高まり、募金や公募債で調達した資金を元手に一部を復元、25日から一般公開がスタートする。

 復元されたのは清明台(江戸時代に天守閣の役割)や富士見櫓、土塁、堀など、「宇都宮城」の一部。城の復元に伴い、歴史の伝承、都市防災、市民の交流などの機能を備えた城址公園も整備されている。

 「宇都宮城」の復元計画がスタートしたのは1997年頃のこと。商工会議所の要望を受けて復元が決まり、市民グループ「『よみがえれ!宇都宮城』市民の会」が中心となって募金活動を展開してきた。募金者の名前を刻める瓦や、宇都宮城のポスターなどで募金を呼びかけ、集まった金額は約1億円。また、市もミニ市場公募債「みや雷都(らいと)債」を発行、約5億円を集め、総事業費36億円の一部に充当した。

 25日はオープニングイベントとして「うつのみや城址まつり~時代行列~」が行われる。宇都宮城主の入城行列を描いた江戸時代末期の「戸田忠恕公宇都宮城御入所之図」をベースにした時代行列を、市民参加型で再現するものだ。

「よみがえれ!宇都宮城」市民の会
宇都宮城 埋もれた古城
宇都宮城 ザ・登城
宇都宮城(宇都宮市) 読売新聞